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一般社団法人 GOLD日本委員会の概要

一般社団法人 GOLD日本委員会は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)に関する正しい知識の普及を通じて国民の健康増進に寄与することを目的とし、2012年10月に設立されました。

COPDは喫煙・大気汚染等の外的刺激による肺の慢性的な炎症を基本病態とする呼吸器疾患です。日本では2019年に約1万8千人の方がこの病気で死亡し、日本人男性の死亡原因の第8位になっています。また、重症例では体を動かしたときの息切れのために日常生活が著しく障害され、現在17万人以上いるとされる在宅で酸素療法を受けている患者の半数近くはCOPDが基礎疾患です。また、軽症・中等症であっても、わが国の悪性腫瘍死亡で最多の原因である肺癌のリスク因子としても知られています。さらには、社会の高齢化とともに近年急速に増加し、死亡原因の第5位となった肺炎の基礎疾患としても重要です。このように、高齢者の肺の健康を守り、健康寿命を維持するうえでCOPDはもっとも重要な肺疾患です。しかしながら、少なくとも530万人以上いると見積もられているCOPD患者のうち、正しく診断されて、適切な治療を受けている患者は10%にも達しておりません。

この背景には、COPDに対する社会的な認知度が低いことが問題とされています。厚生労働省は2012年に「21世紀における第二次国民健康づくり運動(健康日本21(第二次))」の目標としてCOPDの認知度向上(平成34年度までに認知度80%にする)を掲げ、国を挙げてCOPDの認知度向上に取り組む方針を示しました。

当法人では、この厚生労働省の方針を受け、これまでGOLD日本委員会として取り組んできたCOPD啓発活動の経験と実績を活かし、今後も継続的で意義のある活動を行っていきたいと考えております。とりわけ、自治体健康政策担当者のCOPDに対する理解を深め、また各自治体での啓発活動に活かしていただけるような支援を行うことがCOPDの認知度向上にあたって重要であると考え、都道府県単位での「COPDの予防等に関する講習会の実施」事業を、独立行政法人環境再生保全機構との共催で全国へ展開しております。

また、COPD啓発に関係する各団体がタッグを組むことでよりインパクトある啓発活動に繋げ、各メディア・自治体・医療関係者・一般市民への情報発信を高める後押しとすることを狙いとする「日本COPDサミット」を、2014年度から開催しております。

さらに、2016年5月、特定健康診査・特定保健指導のあり方に関する検討会に対し、肺機能(COPD)に関する「問診」の追加についての要望書を一般社団法人日本呼吸器学会との連名で提出するなど、積極的な活動を展開しております。

代表理事 植 木 純