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たばこ価格及びたばこ税の引き上げに関する決議案を採択 -慢性呼吸器疾患対策推進議員連盟-
2008年11月21日
慢性呼吸器疾患対策推進議員連盟(会長 坂口 力議員)は、2008年11月20日、参議院議員会館で開催した総会の中で、たばこ価格及びたばこ税の引き上げに関する決議案を採択した。たばこ価格及びたばこ税を引き上げることで、喫煙率の低減を通じて、患者数500万人、年間死亡者14,000人と推計されるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の予防やそれに要する医療費(30年後には3兆円を超えると推計される)の抑制が可能になるとしている。また、増税により得られた財源は、生活習慣病対策を始め、社会保障の維持・強化のために充当できるとしている。
たばこ価格及びたばこ税の引き上げに関する決議案は、COPDなどの呼吸器疾患の患者団体の連合組織である日本呼吸器疾患患者団体連合会(患者代表幹事 渋谷 章)、および医師の学術団体である社団法人日本呼吸器学会(理事長 貫和敏博)が同議員連盟に提出した「たばこ税増税に関する声明文」による支持を受けて決議されたものである。
日本呼吸器疾患患者団体連合会は声明文の中で、たばこの毒性が十分に知らされないまま国民生活に広く普及し、多くの喫煙者がCOPDを初めとする慢性呼吸器疾患に悩まされていることを指摘し、たばこ税の増税により少しでも喫煙率を低下させるとともに、増収分を禁煙教育や慢性呼吸器疾患の啓発、在宅酸素療法者への医療助成などに活用するよう要請した。また、日本呼吸器学会は、たばこ税の引き上げが実施されれば、我が国の喫煙率(特に若年者の喫煙率)を低下させることが大いに期待でき、国民の健康の保持増進やたばこの害による社会的負荷の軽減に寄与すると評価している。
本総会に出席した在宅酸素療法を受けるCOPD患者からは、「たばこの値上げにより、まだたばこを吸っていない子供たちや若い人たちを喫煙から守ることができる。ぜひ、早急な対応をお願いしたい」という要望が出され、患者会、議員連盟が協力し合いながらたばこ税増税の早期実現に向けて行動していくことが合意された。
- 慢性呼吸器疾患対策推進議員連盟
慢性呼吸器疾患のための啓発と国民的課題である慢性呼吸器疾患の予防や患者救済を含めて対策を推進するため、2006年4月に発足した与野党の有志議員による議員連盟。
- 日本呼吸器疾患患者団体連合会
2004年5月に日本呼吸器学会と5患者団体(岩手低肺の会、全国低肺機能者グループ東北白鳥会、全国低肺機能者団体協議会、全国ポリオ会連絡会、NPO法人日本呼吸器障害者情報センター)とで組織した会。活動の3本柱(1.呼吸器の内部障害者認定の適正化、2.医療環境の整備、3.難治性呼吸器疾患の特定疾患への認知、治療・ケアの質の向上)を掲げ、国や地方自治体への働きかけを行っている。
- 社団法人日本呼吸器学会
昭和36年(1961)に設立された呼吸器の領域では日本医学会のもとにある国内最大の学術団体。定期的な学術講演会の開催や学会機関誌(日本呼吸器学会雑誌)の発行、専門医の育成と認定、禁煙キャンペーン、市民公開講座など、学術および社会活動を幅広く行っている。